北斗の拳はやっぱり面白い
今回はマンガの北斗の拳を一気読みして、改めて面白いという事に気づいたというお話です。
最近ですがKindleでコアミックスのマンガが50%ポイント還元というセールをやっていて、そこで我慢出来ずに久々に読みたいと思っていた北斗の拳究極版を全巻まとめ買いしてしまいました。
今夏はこれでお金を使ってしまったので、他の電子書籍のセールやゲームのセールでの買い物はしない事に。
北斗の拳ですが連載中にジャンプを買って読んでましたし、単行本も全巻昔のジャンプコミックで揃えてました。
小学校3〜4年くらいから週刊少年ジャンプを読み始めた記憶があるのですが、キッカケはキン肉マンとキャプテン翼で北斗の拳はアニメ化前だったので当然全く知らない作品でした。
ジャンプを読んでいて北斗の拳に気づいた時は確かジャギと戦う前くらいだったと思うんですよね。もうちょっと前から知っていたかもしれないですが当時ジャギ戦の印象がもの凄く強くて「何だこれは」と思ったのを覚えています。
それから北斗の拳も連載で読むようになったのですが、兎に角面白い。
それより前の話は知らないのですが凄く面白かったです。
で当然その前の話も知りたくなり単行本も一巻から買って連載に追いつきました。
するとある時からうちの父親がジャンプを読み始めました。
以前も話しをしたかもしれないですが、うちの父親が北斗の拳にハマっていたのです。
それからはジャンプを買うお金を父親が暫く出してくれるようになり(小学校卒業まで)、小学生の小遣い事情からしたら物凄く助かりました。これも北斗の拳のおかげです。
ちなみに父親はその後北斗の拳だけでなく魁男塾にもハマってました。
主人公はケンシロウという分かりやすさ
北斗の拳を久々に読み直して非常に面白かった訳ですが、何が良かったって本当に分かりやすいというのが一番良かったですね。
分かりやすいというのは色々あって、まずは主人公はケンシロウだというのが読んでいて絶対に外さないところが良いですね。
昨今のアニメやマンガではサブキャラが活躍する場面が多く、見ていて「この作品の主人公は?」みたいな気持ちになる事があります。
サブキャラを活躍させてキャラを立たせる事は良い事だとは思います。
北斗の拳でもサブキャラが活躍する場面はありますから。
でもそういった作品と北斗の拳の決定的な違いがあって、北斗の拳では例えサブキャラ同士が戦っていても、その場面をケンシロウが見届けていたり、ケンシロウがその場にいなくとも「ケンシロウの為に戦う」といった理由が語られて絶対にケンシロウを外さないんですよね。
そういう手法は今は古いのかもしれないですが、個人的には物凄く分かりやすいですしそのおかげで主人公のケンシロウはやっぱり好きなキャラになりますからね。
じゃあ北斗の拳はケンシロウだけが目立ってサブキャラのキャラは立っていないかというとそんな事はなく、北斗の拳の中にも魅力的なサブキャラは一杯出てきます。
そう考えるとサブキャラの活躍って北斗の拳くらいでも十分なんだなあと思いましたね。
分かりやすい強さ
次は強さが分かりやすいという話です。
昨今の能力バトル系の複雑な設定やそれらを活かしたドンデン返しのバトルも好きですが、北斗の拳のような分かりやすい強さも好きですね。
北斗の拳では兎に角一番強いのは北斗神拳伝承者であるケンシロウだということ。
なぜ強いのかというと、それは北斗神拳伝承者だからというのと、愛や哀しみを知って究極奥義の夢想転生が使えるからです。
ライバルは数多いですし勿論苦戦しますが、やはり最後は強さだけでなく愛と哀しみを知るケンシロウが勝つという実にシンプルです。
昨今の能力バトル系で育っているような人達には物足りなさや説得力のなさを感じるかもしれないですが、私くらいの年齢のマンガ読みだとこれが分かりやすくて良いですね。
北斗の拳は究極版で全18巻、昔のジャンプコミックでいうと全27巻ある訳ですが、今回の読み直しでは一気に読めてしまいました。
これだけの巻数を一気読み出来たのは単に面白かっただけでなく、この全体的に分かりやすいというのが大きかったと思います。
これが例えば呪術廻戦で同じくらいの巻数を一気読みしようと思っても多分出来ないです。
これは呪術がつまらないとかではなく、難しさという点で呪術廻戦の場合はどんな設定だったとか確認する為に絶対に前の巻を読み直したりとかすると思うので、読むのに時間掛かりますし疲れますからね。
ラオウ編以降の面白さ
今回一気読みした訳ですが、北斗の拳は世間的にはラオウ編がピークでその後は惰性で続いていてあまり面白くないという話もチラホラ。
確かにラオウ編がピークなのは私も否定はしないです。
ですが、その後の天帝編や修羅の国編なども今回読み直したら十分に面白かったです。
では何故そういう評価になってしまっているかというと、問題は修羅の国編のヒョウとカイオウがイケてないからかなと思いました。
まず天帝編ですが、リンの出生の秘密とかは唐突な感じはありましたが、アインやファルコはカッコ良いですし魅力あるキャラでした。
ケンシロウ対ファルコもかなり熱い戦いで面白かったです。
そして次が修羅の国編です。
修羅の国編も最初は名もなき修羅が、ケンシロウとの激闘の傷が癒えていないとはいえファルコと互角の戦いをしたりで、連載時に読んだ時は「この後どうなるの」と少なくとも私は思いました。
ある意味この名もなき修羅が修羅の国編のハードルを上げてしまったのかもしれないですが。
その後も羅生ハン戦まではワクワクドキドキしながら読んでいたのを覚えています。
問題はその後です。
今回読み直してもやはり羅生ハン戦以降がどうもテンションが上がらないというか惰性で読まされてる感がありました。
まずはヒョウ。
ケンシロウの実の兄という、読者に対して物凄くハードルを上げられたキャラですが、その器にはなかったかわいそうなキャラです。
見た目はケンシロウの濃い顔に野暮ったい長髪で決してイケメンではない見た目。
さらにはカイオウの言いなりでいいように利用され、その強さも正直ハンよりも弱かったのではと思ってしまうレベル。
連載当時ヒョウに対して覚えいるのはカイオウに倒されたケンシロウを背負っていたシャチが片目を差し出した時のやり取りくらいでした。
今回読み直してもやはりこのエピソード以外今一つ印象には残らなかったです。
そして最後の敵カイオウ。
ラオウの実の兄でありながらラオウとは比較にならないくらい小物感を感じるキャラです。
ヒョウに対しての記憶操作もそうですし、ヒョウの婚約者であり実の妹であるサヤカを殺しケンシロウを犯人に仕立てたり、リンに対する行為もどうも小物過ぎる感じでした。
ラオウはユリアを生かしてケンシロウに返したのに対し、カイオウはリンに対して天帝の血を残そうと身体を要求したり(この辺はヤンキーマンガやバイオレンスマンガでヒロインが悪い奴にさらわれて犯されそうになる場面のような)それが叶わないとリンに秘孔・死環白(記憶を消すだけでなく情愛も消され、目が覚めた時に最初に見た者に情愛の全てを捧げる)を押して馬に乗せて荒野へ放つという、何とも男らしくない事をします。
今回読み直してこの辺の行動が本当に小物過ぎると感じましたね。
修羅の国編は出だしのインパクが絶大なのに対して最後の二大ライバルがあまりにもキャラとして魅力が薄いので、世間的にも評判が低いのではないかなと。
キャラとしてはハンとかシャチは十分カッコ良くて魅力あるんですけどね。
修羅の国編以降は締めに入っていくようなショートストーリー的な話が続きますが、意外とこの辺りのエピソードは読んでいて普通に面白いですし、最後はバットが本当にカッコ良いです。
バットに関しては最初の子供時代の小狡い感じの方から読んで知っているだけに、最後は漢らしくなって立派になったなあとちょっと親戚のおじさん感覚もあったりでほんと泣けます。
今回北斗の拳を読み直した訳ですが修羅の国編の最後こそちょっと印象弱いですが、一気読み出来るくらい最後のエピソードまで本当に面白いと思いました。
北斗の拳はラオウ編までと思っている方もたくさんいると思いますが、改めて読んでみるとそれ以降も十分面白いと感じるのでないでしょうか。
北斗の拳はやはり名作でした。