坂道のアポロンを観ました
今回はアニメ坂道のアポロンを観たのでその感想です。
坂道のアポロンもマイリストに突っ込んであったので何となしに観始めました。
こちらの作品もどんな内容か特に知らずに観始めましたが、友情・恋愛・ジャズといったものを題材とした高校生の青春群像劇でした。
坂道のアポロンの原作者は小玉ユキ先生という女性の漫画家先生ですが、私はアニメを観ていて女性の先生らしい内容だなあと思って観てました。
これは完全に私の個人的な思い込みなんですが、女性の漫画家先生はリアリストといいましょうか、凄く残酷なところがあるなあと常々思っています。
この坂道のアポロンもそういった感じが良く出てる作品だと思いました。
ちょっとネタバレあるのでこれから観ようという方はお気を付けください。
例えばこの作品のキーの一つのジャズですが、ジャズはあくまで主人公と周りの人を繋ぐアイテムの一つに過ぎず、ジャズで将来大成するとかそういった事はありません。
そして恋愛に関しても同様です。
主人公の薫は律子というクラスメイトを好きになり一応は両想いのようになりますが、成就しませんでした。
作品自体、ジャズや恋愛が最終目的ではなく、あくまでも思春期の少年少女達の感情をメインに描いている作品なので、そこは重要ではないといえばそうなんですが、男性漫画家先生のラブコメばかり観ていた身からすると、何ともドライな感じがしました。
登場人物達の感情の揺らぎの表現が上手い
坂道のアポロンを観て思ったのは登場人物達の感情の表現が上手いなあと感じました。
前述した通り主人公の薫はクラスメイトの律子に恋をするのですが、一度失恋をします。
この時の距離の置き方や態度が男の私からすると「何か分かる」という感じでした。
でその後、律子は一度振りましたが、薫にいつも励ましてもらっていたという事に気付き薫に惹かれていくのですが、その時の薫の心情も「何か分かる」という感じでした。
ただ薫に関しては家庭環境のせいもあるのですが、ちょっと卑屈過ぎる感じがあるので、もう少し素直になれよと思うところも多々ありました。
一方で律子の方の感情の変化や揺らぎの表現も上手かったですね。
観ていて凄い切なさを感じました。
個人的には出来ればこの二人は結ばれて欲しかったと思いますが。
そうしなかったのも学生時代の恋は中々実らないみたいな事を表したかったのでしょうか。(考え過ぎかな)
そんな主人公達には非常に厳しい現実を突きつけている作品なのですが、周りの人物には意外と甘かったり理想的な人物を描いていたりします。
例えば同級生の星児。
彼の夢は上京してスターになるというものでしたが、見事に最後アイドルになってます。
そして兄貴的存在の淳一さん。
淳一さんは薫達の一つ先輩の百合香に好意を寄せられますが、キスまでで手を出さなかったとか「そんなカッコ良い人います?」と思ってしまいました。
坂道のアポロンは少年マンガにあるようなラブコメや青春マンガとは一味違い、高校生活は楽しい事ばかりではなく、辛くて切ない事の方が多いという現実的な厳しさを描いている作品です。
だからといって観るのが辛いという感じはなく、話にドンドン引き込まれていく作品でした。