ターンエーガンダムを観ました
今回はアニメのターンエーガンダムを久しぶりに観たのでその感想です。
前にも書きましたが私は宇宙世紀ガンダム以外のものをちょっと敬遠していた時期がありました。
具体的にはVガンダム(宇宙世紀ですが)Gガンダム、ガンダムW、ガンダムX、ターンエーガンダムです。
ちょうどこの辺のシリーズがTV放映している頃はアニメをビデオに録画してまで観る習慣もなかったので、観てなかったというのが大きいですが、何かそれまで私が知っていたガンダムと色々な部分でちょっと違うなぁと感じていたというのもありまた。
ですがある時期からガンダムのTVシリーズがレンタルビデオ屋でレンタルされるようになり、敬遠していたシリーズを観るようになって考えを改める事が出来ました。
ターンエーもそれで面白い事を知りました。
それまでは「ガンダムにヒゲがある」という感じで見た目から「ちょっとこれは無いわ」と思ってました。
正直ターンエーガンダムの見た目は今でもお世辞にもカッコ良いとは思いませんが、見慣れてくると味があって何かいい感じですし、劇中の顔の絵の角度によっては何か凛々しく見える事もあるので不思議なものです。
ガンダムらしくないけど面白い
そんなターンエーガンダムの良いところですが、何といっても話が面白いです。
これまでのガンダムシリーズのような激しい戦闘はないですが、登場人物達の日常的な描写が多いのが特徴です。
これは戦闘とは関係のないシーンが多いのでより登場人物達の性格や特徴が出ている感じがします。
魅力的な女性キャラ
更にターンエーガンダムの特徴としては女性キャラが魅力的で目立っているという印象を受けます。
ディアナ様を筆頭にキエル・ソシエ姉妹、リリ嬢など個性的な女性キャラが多いです。
そんな中、特に観ていてドンドン印象変わって化けてくるのがリリ嬢です。
最初はグエンに媚び売ってるような典型的な高慢なお嬢様なのかと思いきや、話が進むにつれて角が取れて器量の大きさや行動力をみせてくれました。
最後の方でグエンに言った「アメリアはわたくしがスカートのまま治めますわ」のセリフは印象的でした。個人的にはかなり好きなキャラでした。
そしてターンエーの悲しい女性代表のソシエ。
ソシエは思考や行動はちょっと短絡的なところはありますが、ギャバンやロランとの別れを経験しても人前では気丈な振る舞いが出来る強い女性です。
エピローグでの自転車で叫びながら坂を下り、ロランのブリキの金魚を川に放り投げるシーンは印象的です。
そして何と言ってもディアナ様です。
月の女王として圧倒的なカリスマ性を持ちながら、ただ高潔な人というだけだなく、どんな人にも誠実で心優しく接してくれる女性です。
地球で自分と瓜二つのキエルと入れ替わり、地球の人々の生活などを体験する事によって女王として更なる成長を遂げます。
主人公は一応ロランですがターンエーガンダムはディアナ様の物語でもあります。
作中のディアナ様の描写が素晴らしく本当に嫌味を感じさせないキャラクターになっているので、最後のエピローグはちょっと寂しさを感じさせます。
神がかってるエピローグ
ターンエーガンダムは非常に面白く素晴らしい作品ですが、中でも私が物凄く印象深く記憶に残っているのはエピローグです。
戦争が終わって登場人物達のその後を描いたエピローグが本当に素晴らしいです。
エピローグというと大体何かセリフだったり説明が出て「こうなりました」的な感じになりますが、ターンエーガンダムのエピローグはセリフは殆どなく必要最低限。
「何年後でここは何処」みたいな説明も一切なく、絵(アニメーション)だけで登場人物達のその後を描いています。
そしてそんなエピローグを更に素晴らしい雰囲気にしているのがバックで流れる「月の繭」です。
私はこの月の繭が流れるエピローグを観ると毎回鳥肌が立ちます。
それくらい感動します。
セリフや説明がないので確かに最後の方のディアナ様のシーンを観ると「なんだどうなってるの?」と疑問を感じると思います。
私も初見はそうでした。
それでもやはりこの素晴らしいエピローグに余計な言葉は不要。
ディアナ様の描写も直接的な表現をしていません。
分かりやすく表現しようと思ったら、もっと絵的に変化している描写も出来たはずです。
ですがここでは何か微妙に違和感を与える程度の表現になっていて、ある程度結末は視聴者に委ねているような感じです。
兎に角、観て何か感じてくれればという演出になっています。
恐らく初めて観た人の殆どは良く分からないというか、違和感を感じながらも、ただロランとディアナ様が自然豊かな場所でのんびり二人で暮らして終わりという風にとらえると思います。
実際それで構わないとも思います。
ただちょっとでも何か違和感や疑問を感じた人はネットでターンエーのエピローグやディアナ様について調べてみてください。
色々と出て来ます。
そして調べてからもう一度エピローグを観てみてください。
初見とはまた違った観方が出来て、より切なさを感じる事が出来ると思います。
ターンエーガンダムはそれまでのガンダム作品だけでなく、ターンエー以降の作品含めてもガンダムらしさを感じない作品だと思います。
モビルスーツのデザインであったり、戦闘描写の少ない作風だったりで受け入れられないという方も少なからずいるかと思います。(放映時の私のように)
ですがその内容は素晴らしく面白い作品です。
毛嫌いして観てないという方がいたら今改めてターンエーガンダムを観てみては如何でしょうか。