ガンダムGのレコンギスタを観直しました
今回はガンダムGのレコンギスタを観直したのでその感想です。
ガンダムGのレコンギスタは富野由悠季監督がターンA以来制作に携わったテレビシリーズのガンダム作品です。
Gのレコンギスタですが、私は放映当時、富野監督のガンダム作品という事で録画をして観てました。
その当時に観た感想ですが「何か良く分からない」という感想でした。
当時録画して観てましたが、何回も見直す程面白いという印象もなかったですし、富野監督だからこういう作品なのかという感想だったので、良く分からなくてもまあ良いかという感じだったので一度観てそれっきりでした。
当時一度だけ観て印象に残ってるのは、主人公とヒロインが姉弟関係だったというのと、エンディングの歌と絵が印象に残っている程度でした。
今回、ガンダム最新作の水星の魔女が面白かったのと、マクロスシリーズを全部観終わって次何観ようかと思ったところ、ガンダムシリーズ特にSEED以降の作品が殆ど一度しか観たことなかったので、その辺の作品から観ていこうと思い、じゃあまずはGのレコンギスタだという感じで観直した次第です。
やっぱり良く分からなかった?
で観直したのですがやっぱり良く分からなかったです。
これは自分が歳取って理解力なくなったのかと思ってしまいました。
これじゃあいかんという事で、まずはネットでGレコについて調べてみようと思い検索すると、予測変換で「Gのレコンギスタ意味わからない」というのが出てくるじゃあないですか。
どうやら自分だけでなく良く分からない人は結構いるようです。
そこでまずは自分が良く分からないと思ったところを上げてみます。
主人公ベルリの立ち位置と行動
主人公はベルリ・ゼナムという少年なんですが、当然主人公中心に話は進んでいくので、理解するためには主人公の立ち位置と行動は重要になってくるのですが、これが私にとっては意外と惑わす原因になっています。
ベルリは最初はキャピタルガードのパイロット候補生で出てくる訳ですが、それからすぐにアイーダにメガファウナ(宇宙海賊)に連れて行かれます。
そこで捕虜的な感じになる訳なんですが、その後Gセルフに乗って、かつて所属していたところから派生したキャピタルアーミイと戦闘をします。
理由としては捕虜であり、かつ一緒に連れられて来たノレドとラライヤが人質的な感じになっていて、さらにベルリの気持ちとして、好きになったアイーダ(この時は姉弟関係というのを知らない)の恋人であったカーヒルを殺してしまったという負目もあるので戦う理由は一応分かるのですが。
ただ、これがあまりベルリの心情描写や、戦っている最中の感じが、やむを得ず戦っているという雰囲気が薄いので、ちょっと気を抜いて観てると見失ってしまい「いつの間にこうなった」という事に私はちょっとなりました。
Gのレコンギスタはとにかく話の展開が早いというのもその原因の一つかも。
複雑な専門用語
クンタラ、ヘルメスの薔薇の設計図などなど・・・
Gのレコンギスタに限らないですが、アニメにはその作品内の設定や専門用語が出てきます。
だいたいの場合、そういった設定や専門用語はキャラクターのセリフとかで軽く説明してくれたりするものです。
しかしGのレコンギスタではそういうのが少ない気がします。
特にこれは地名なのか戦艦の名前なのか何だかハッキリしない固有名詞がバンバン出てきます。
話が進めば分かってくる事ではあるのですが、これが結構分かり辛く感じました。
複雑な勢力図とその目的
恐らく観て分からないという人の殆どはこれが原因ではないでしょうか。
とにかく複数の団体がドンドン登場して参戦してくるので終盤は訳分からなくなります。
そこでちょっとまとめてみます
キャピタルガード
キャピタルタワーを護るための組織。
キャピタルアーミィ(敵)
アメリア軍からの攻撃に対する自衛を名目にキャピタルガードとは別に新設された部隊。
この二つの部隊はキャピタルテリトリーという国家から作られたもの。
アメリア軍(味方)
アメリア大陸(北米)を統べる国家の軍隊。
エネルギー資源・フォトンバッテリーを実質的に独占しているキャピタルテリトリーに反発している。
メガファウナ(海賊部隊)主人公所属
キャピタルテリトリーからフォトンバッテリーを強奪する目的でアメリア軍から編成された秘密部隊。
ゴンドワン(敵)
キャピタルテリトリーと協力関係を結んでいる。
月の裏側に位置するコロニー国家。
ドレット軍(敵)
トワサンガの名家ドレット家が組織した軍隊。
地球再征服(レコンギスタ)作戦を推し進める。
トワサンガの名家の一つレイハントン家(主人公の生家)によって創設されたフォトンバッテリーの生産と供給を独占する団体。
金星圏にある巨大なフォトンバッテリーと、それに付随するコロニーの総称。
ジット団(敵)
金星圏から地球圏への帰還を望む組織。
地球へのレコンギスタが目的。
過酷な金星圏での宇宙環境から脱したい、地球環境に強い憧れを持っている。
キャピタルアーミィと手を組む。
だいたいこんな感じですかね。
アメリア・メガファウナ軍VSキャピタルアーミィ・ジット団VSドレット軍
三つ巴の戦闘という感じですね。
一応、それぞれの勢力には目的があって戦闘していた訳ですが、最終決戦を前にアメリア軍とドレット軍の高官達は和平交渉しようとしたところ大打撃をくらって、さらにドレット軍はロックパイが死んで正気を失ったマッシュナーのせいでほぼ自滅しているので、最後はアメリア・メガファウナ対キャピタルアーミィ・ジット団という感じです。
最後は各勢力の高官が死んでいって混戦模様の中、主要キャラ達はほぼ私闘に近い感じになっています。
もっともガンダムシリーズで最後は主要キャラの私闘になるのは良くある事ですが、Gのレコンギスタでは戦闘が終わった後のエピローグであまりにも普通にそれまで敵だったキャラ達の平穏な姿が描かれているので、「うん?」ってなります。
そのせいで余計に意味が分からなくなる人もいるのではないでしょうか。
そもそも一番の黒幕ぽいクンパ・ルシータ大佐が戦闘と関係ない所で巻き込まれ事故のような感じでいつの間にか死んでますからね。
もう皆殺しの富野とは言わせない?
富野監督といえばイデオンやダンバインのような皆殺しエンドや皆殺しといかないまでも主要キャラ達をドンドンと殺していく作品の印象が強いせいで、「皆殺しの富野」などと呼ばれていたりします。
しかしGのレコンギスタではそれに反発するかのような作風になっています。
これはあくまでも私の個人的な印象であり、偏見なのですが、今作でもそれまでの作品で死んでいったようなキャラ的なポジションのキャラがいたように感じます。
例えば
マスクとマニィです。他にもクリムとミックやリンゴにケルベスなど。
マスクとマニィはマニィが最後MAで戦闘に参加した時点でマスクを庇って死んでしまうような、シャアとララァのような感じを予感させましたし、クリムとミックはジェリドとマウアのような関係に近い感じですし、リンゴはラライヤに好意を持っているのが明らかなので、エマを庇って死んだヘンケンのような、ケルベスは他の仲間よりも年長な感じからリュウやスレッガー、アポリーのような。
これは完全に個人的なイメージですが、これらのキャラはかつての富野監督だと死んでいたかもとちょっと思ってしまいました。特にマスクとマニィは。
しかしこれらのキャラは誰一人死なずに、最後は皆んな平穏な日常を送っている姿がエピローグでは描かれています。
そんなGのレコンギスタの主要キャラを死なせないという姿勢は主人公のベルリの戦い振りにも表されている気がします。
天才パイロット・ベルリ?
ベルリはモビルスーツ戦において人を殺したくないという思いで「ビームライフルを使わせないで」と口に出していたり、実際に戦闘シーンではコクピットに直撃させないような描写があります。
その一方で意外と被弾が多いというイメージもあります。
Gのレコンギスタではニュータイプについてもちょっと触れられており、ベルリをニュータイプではないかとロックパイが言います。
確かに前述したような戦いぶりからその凄さを感じさせますが、被弾が多いというイメージから、戦場において殺さずの戦闘をしているといかにニュータイプといえど自分がやられる可能性がある、ニュータイプは化け物ではないという事を表したいのかなと個人的には感じました。
自分の目で見て確かめる
Gのレコンギスタのテーマですね。
アメリアではフォトンバッテリー(エネルギー )の独占は悪だと説かれていた訳ですが、メガファウナのクルー(特にアイーダ)は実際にトワサンガやビーナスグロゥブに行き、何処もエネルギーを独占していない事を知って自分の認識の誤りに気付きます。
富野監督が当時どういう考えでGのレコンギスタを作ったか分かりませんが、このテーマは「本当かどうか分からないネットの情報」に溢れている現在でもかなり響くテーマだなあと感じました。
しかもこのテーマって実は最初からエンディング曲で表現されていたんですね。
流石です。
Gのレコンギスタは実際の評価は分かりませんが、ネットでは意味がわからないとか言われてたりします。(実際に私も初見ではそうでした)
もしまだ観た事がないという方はそういったネットなどの情報だけで判断せずに是非一度は自分の目で観て確かめてください。
もし一度実際に観て面白くなかったらGのレコンギスタはそういう作品だと思って構わないです。(勝手なこと言ってすいません)
理解出来るまで何度も観てとは言いません。
なにせ意味が分からないものを観ている事程退屈で面白くない時間はないですからね。
それでも一度は実際に観てから判断してください。
意味が分からなかったと思いつつ、劇場版含めて4回くらい見直した私は、なんだかんだで富野由悠季監督が作るガンダムが好きだから観れただけなので。
正直、私も1度観ただけで感想書いたら良く分からないガンダムシリーズだったという評価だったと思います。
ですが今回観直した事によってGのレコンギスタの面白さに気付き、自分は富野監督が作ったガンダムが好きなんだと再認識出来ました。