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宇宙よりも遠い場所を観ました


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宇宙よりも遠い場所を観ました

今回はアニメの宇宙よりも遠い場所を観たのでその感想です。

宇宙よりも遠い場所もネットでススメられてたので観たアニメです。

観る前に女子高生が南極に行く物語だというのは聞いてました。

で、観る前は女子高生が南極に行って南極での出来事を描いていく作品なのかなと思っていました。

ところが観てみるとそうではなく、南極物語ではなくいわゆる思春期の青春アニメでした。

いつものように率直な感想を最初に言うと「実に良い作品」でした。

私はこの年齢で観たので割と客観的に観れましたが、主人公達と同じくらいの年齢の子たちが観たらかなり刺さるアニメだと思いました。

今回はその辺のお話をしていきたいと思います。

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主要人物達の設定

主人公の玉木マリ愛称は「キマリ」。

キマリは好奇心が強く高校に入ったら何か新しい事をやろうと思ってはいるものの、どうしても最後の一歩が踏み出せずにいました。

そんなところに南極に行くという固い決意を持つ報瀬(しらせ)と出会い一緒に南極に行く事を決意します。

次は南極へ強い憧れを持つ報瀬(しらせ)です。

しらせは南極観測隊員だった母親の影響とその母親が南極で行方不明になってしまったことにより南極に行く事に強い憧れを持っている少女です。

続いては日向です。

日向は高校で部活のチームメイトから裏切りにあい、高校を中退してコンビニでバイトをしているフリーターです。

高校は中退してますが、大学進学を目指して勉強も頑張り高卒認定を取得しているという少女です。

最後は結月です。

結月は小さい頃から芸能活動をしている女子高生です。

小さい頃から芸能活動をしていた事から忙しく学校では友達が出来ない事に悩み、友達もどう作れば良いか分からず悩んでいる少女です。

とこんな感じの4人が主要人物です。

この4人の性格設定を分かりやすく言いますと

キマリは何かしなきゃと思いつつも、ついつい日々楽しく過ごすことに腰掛けてしまっているタイプ。

しらせは目標は持ってはいるものの、その先を考えていないタイプ。例えばどこどこの大学に行きたいという目標はあるものの、その大学に入って何をしたいのかという具体的な目標がなく、ただ受験だからというそんな感じのタイプ。

日向は友達関係に悩み、本当の友達・信頼出来る友達に飢えているタイプ。

結月は日向と似てますが、それより前の段階で友達の作り方や友達の定義みたいなものを真剣に考えてしまうタイプ。

という感じです。

この4人って何か思春期の少年少女達はどれか当てはまりそうな気がしませんか?

異論はあるかと思いますが私はこの4人はそういう風に感じました。

で主要人物4人でこのタイプだけかというともう1人いて、それがキマリの幼馴染のめぐみです。

めぐみはキマリに対してこれまでは自分が姉のような存在だと思っていたところに突然南極に行く事に夢中になったキマリに対して嫉妬します。

これもこういう経験した人いるのではないでしょうか。

自分と同じような考えだと思っていたら、友達から突然目標みたいな事を言われて友達に対して羨望と同時に嫉妬してしまったみたいな。

このタイプ分けでいうと私は完全にキマリタイプでしたね。

皆さんはどうでしょうか?

宇宙よりも遠い場所ではこの登場人物達が悩みを克服して成長していく姿を丁寧に描いてくれるのが本当に良かったですね。

印象に残っているシーン

前述した通り登場人物達は何かしら悩みを抱えていて、それを克服して成長していく姿が描かれているのですが、その演出が上手いです。

中でも印象に残っているのは日向としらせのシーンです。

ネタバレ含みます。

まず日向です。

日向は前述した通り高校で部活の友人達に裏切られた事により、人間不信にも似たかたちで中退しています。

それが南極に行ってから日本との中継番組のリハーサルで、日向宛のメッセージとして裏切られた部活の仲間が登場した際に激しく動揺し隠れて怒りをぶちまけます。

それを見たしらせが日向から高校時代の話を聞き、中継番組で日本にいる日向の旧友に「日向は過去を吹っ切って既に歩き出してるから、もう二度と日向に関わらないで欲しい」と日向の気持ちを代弁して一刀両断にします。

個人的にこのシーンは良かったですね。

もしかしたら裏切った友達の方も悔やんでいて、仲直りしたい気持ちがあり、ここで和解するみたいな話にも出来たかもしれません。

でもここではそんな甘っちょろい友情物語にせず、正に一刀両断ともいえる形で絶縁するという演出にします。

何故絶縁する方が良かったかと思うのは、一つは裏切った友達の描写が少なく、反省や後悔をしているような場面が全くない事。

もう一つは日向の気持ちを代弁したのがしらせだという事です。

しらせも日向程ではないにしても友人関係は良好ではないです。

学校では南極に行くという夢物のような話をするしらせは異端児扱いされています。

実際にしらせの南極の話を聞いて感動したキマリに対しても、「これまでも同じように言葉だけの人はいた」と、だから「広島にある砕氷艦を一緒に見に行ったら信じる」と言っています。

元々正義感は人一倍強かったとはいえ、そんなしらせだからこそ日向の気持ちを感じ取りあそこまでハッキリと啖呵を切れたのだと思います。

このシーンは個人的にはスッキリさせてくれた場面でした。

次はそのしらせです。

キャラの性格設定の話でしらせは南極に行くという目標は持っているものの何をしたいか分からないタイプと言いましたが、実際にはそんな事はありません。

実際には行方不明になった母に対して生きているとまでは思ってないですが、気持ちは母を南極に送り出した気持ちのままで、帰ってくるのを待っているかのようなフワフワした気持ちの為、南極に行って母の痕跡を探したいけどその決意が出来ておらず、母が行方不明になった日から母に対して時間が止まっているという感じです。

それが南極で母の遺品のPCを見つけて起動してメールを受信すると、次々と溜まっていた自分が送ったメールが受信されていきます。

それを見たしらせは母が死んでしまったという事実を実感し号泣します。

メールが次々と受信されるという演出が、母に対して止まっていた時が動きだしたかのような実に印象的な場面でした。

何処かで母の死を実感させる事があるだろうと観てましたが、まさかメールが大量に受信されるという演出で見せられるとは見事です。

このシーンは観ている方も泣きますね。

宇宙よりも遠い場所は南極というものを一つの題材にして、一見すると突拍子もない変化球的な物語かと思いきや、かなりストレートな青春物語で思春期の少女達の成長を描いた実に良い作品でした。