ラフ
今回はマンガのラフを紹介します。
ラフはあだち充先生の作品で先生得意のスポーツラブコメマンガになっています。
あだち充先生得意のスポーツラブコメものというとタッチに代表されるように、野球ものが多いですが、ラフは水泳がベースになっています。
スポーツシーンは少なめ
あだち充先生の野球ものですと比較的野球シーンが多く、結構本格的野球マンガと呼んでも良いくらいの作品が多いです。
ところがラフに関しては水泳シーンは少なめで、本格的なレースシーンや大会シーンがあるのは2年生の夏の時くらいです。
なのでどちかというと本格的水泳マンガというよりは本格的ラブコメマンガという印象が強いです。
じゃあ水泳シーンがつまらないかというとそんな事はなく、主人公・圭介の2年生時のインターハイまでの水泳シーンはかなり面白く結構読んでいて熱くなります。
ラフ連載時私は高校生で、買っていた週刊マンガ雑誌はドラゴンボール・スラムダンクが連載されていた週刊少年ジャンプとヤンキーマンガ全盛期の週刊少年マガジンを買っていましたが、このラフのインターハイ前後の頃はとにかくラフの先を早く読みたくて週刊少年サンデーも買ってました。
それくらい水泳マンガとしても面白かったです。
恋愛のスタート地点
あだち充先生のラブコメ作品の殆どは幼馴染だったり、過去に出会っていて憧れていた等かなり恋愛のスタート地点が上にある作品が多いです。
そんな中、ラフは珍しく恋愛のスタート地点がフラットな状態なんならマイナスくらいの位置からスタートというのが中々珍しくて面白いです。
厳密にはラフも幼馴染なんですが、最初からプラスのスタート地点ではないので、恋愛感情に発展していくまでの過程が楽しめるのもラフの特徴であります。
他のあだち充作品だと幼馴染から始まって「こんな関係中々ないよなあ」という羨ましい描写が多いですが、ラフはどちらかというと割とリアルな感じの感情の動きの描写があるので、個人的には他の作品よりも恋愛部分の話が好きだったりします。
仲間との関係が良い
あだち充先生作品の特徴の一つに、部活の先輩・後輩の関係がギスギスしたところがなく、和気藹々な関係で描かれる事が多いです。
ラフでは部活内での描写は少ないですが、主人公の圭介は学生寮に入っている事から寮内の仲間との描写が多く描かれています。
これが部活内の話ではなく日常描写として描かれているので実に楽しそうで良いんです。
そんな寮内の仲間の中でも特に野球部の緒方と主人公・圭介とヒロインの亜美との関係性は良かったですね。
特に恋愛的な三角関係(実際にはそうなんですが)という感じではなく、自分が好きだった女子と恋のライバルに対しての接し方にカッコ良さと爽やかさを感じて凄く良いキャラでした。
あだち充先生得意の野球ものではどちらかというと野球描写が多く、スポーツよりなラブコメという印象なのが、ラフでは水泳部分の描写が簡潔でラブコメ描写とのバランスが良いです。
ラフはスポーツ部分が好きという人には物足りなさを感じるかもしれないですが(特に後半)野球ものとは一味違ったあだち充先生の魅力が出ている傑作です。