釣りキチ三平
今回紹介するのはマンガの釣りキチ三平です。
釣りキチ三平は1973年から1983年まで週刊少年マガジンで連載されてました。作者は矢口高雄先生です。
釣りキチ三平はアニメ化もされていて知っている方も多いのではないでしょうか。
しかしながら名前は知っていても最終回については知らない人が多いと思います。
個人的にですが「泣けるマンガは?」と聞かれたら私はこの釣りキチ三平の最終章の釣りキチ同盟編を挙げると思います。
それくらい泣けるお話なので、今回はただ釣りキチ三平を紹介するのではなく、釣りキチ三平の最終章のお話をしたいと思います。
完全にネタバレになるので読む予定がある方は読まないでください。
主人公・三平三平くん
まずは簡単に釣りキチ三平のあらすじを紹介すると、主人公の三平三平(ミヒラサンペイ)くんが日本各地、時には外国で様々な魚を釣り上げるというそんなお話です。
三平くんはおじいちゃんと二人暮らしで両親の記憶は殆どありません。母親は三平くんを産んで間もなく亡くなっており父親は行方不明です。
そんな家庭環境でありながら三平くんの性格は明るく誰とでも直ぐ打ち解ける事ができるという魅力溢れる少年です。
そんな三平くんに惹かれる大人も多く、中でもひょんな事から三平くんと釣り勝負をした鮎川魚紳さんとは勝負の後もお互い兄弟のように慕って付き合っていくことになります。
最終章のお話
完全にネタバレです。
ある日いつものように三平くんは釣りに出掛けて家に帰って、釣った魚をおじいちゃんに見せようと座っているおじいちゃんに話掛けますが眠っているかのように反応がありません。
おじいちゃんは死んでしまっていたのです・・・
あまりに突然の死で周りの村人達や釣り仲間も悲しみにくれていましたが、三平くんは落ち込んでいる様子はみせてるものの決して人前で泣く事はありませんでした。
おじいちゃんの教え
それはおじいちゃんから「不幸な境遇で生まれて同情されることもあるが決してその同情に甘えないように。まして人前で涙は見せるな」と教えられていたのです。
そして「もし泣きたい時は家の裏にあるブランコに乗って思い切り泣け」と。
三平くんはその日、大人達が葬式の準備をしている最中に外に出てそのブランコに乗って思いっきり泣くのでした。
中々来ない魚紳さん
葬式が始まり進んでいきますが三平くんが一番待っている魚紳さんが現れません。
いよいよ納棺というその時に突如空にヘリコプターが現れ田んぼに降りると、その中から魚紳さんが出てきました。
魚紳さんを見た瞬間、これまで人前では決して泣く事のなかった三平くんが人目も憚らず泣きだしてしまうのでした。
魚紳さんが遅れた理由を聞くと魚紳さんは三平くんのお父さんを探していて到着が遅くなってしまったという事でした。
三平くんがとある釣り大会に参加した時に「呪い浮子」といわれる浮子を使ってしまい、溺れかけた時に隣で釣りをしていた男の人に助けてもらった事がありました。
何とその人物こそが三平くんのお父さんだったのです。
三平くんのお父さんは記憶喪失になっていて昔の事は全く覚えていないという事です。
その話を聞いた三平くんは突如大事な釣り道具を燃やそうとするのです。
「釣りをしていたせいで隣の人物が父親だと気づかなかったり、おじいちゃんの死に目にも会えなかったから釣りはやめる」と取り乱してしまいます。
そんな三平くんに向かって魚紳さんは「釣りをやめることは許さない」と言い放ちます。
魚紳さんは以前おじいちゃんから三平くんの生い立ちについてこんな話を聞いていました。
三平くんの出生の秘密
三平くんには実はお兄ちゃんがいてお兄ちゃんは水を怖がる子供でした。ある日、三平くんがまだ生まれる前、母親のお腹の中にいる時にそのお兄ちゃんが溜池に落ちて死んでしまったのです。
お母さんはあまりのショックでその日にわかに産気づき三平くんを産んでそのまま死んでしまったのです。
一度に2人も身内を亡くしてしまったおじいちゃんは孫が落ちた溜池を憎み埋めてしまおうかと思いましたが、村にとって重要な水源であり埋めたところで2人は生き返らないと思いとどまります。
その代わりに産まれてきた子供(三平くん)は決して水を怖がらない子に育てようと決意するのです。
今の三平くんがあるのは正におじいちゃんの育ての賜物であり、そんなおじいちゃんの決意と苦労を聞いていたので魚紳さんは三平くんに釣りをやめる事を許さなかったんですね。
まだちょっと続きますが最終章のお話の重要な部分は大体こんな感じです。
私はこのお話を読んでから釣りキチ三平の見方がちょっと変わりました。
それくらい泣けましたし感動しました。
私のこんな文章だけでは中々伝わらないと思うので、もし興味を持たれたら読んでみては如何でしょうか。
単行本の64・65巻の釣りキチ同盟編です。