THE FIRST SLAM DUNKを観てきました
今回は映画のTHE FIRST SLAM DUNKを観てきたのでその感想です。
ネタバレ含むのでこれから観に行こうという方はお気をつけください。
THE FIRST SLAM DUNK は言わずと知れた大ヒットマンガ・スラムダンクのアニメ映画です。
スラムダンクのアニメは一度制作されていますが、原作の最後まではアニメ化されていませんでした。
それが原作終了後26年経った今、原作最後の試合・山王戦をメインにして再アニメ化です。
感想の前にまず私のスラムダンク思い入れ度から。
まずマンガですが連載開始時からジャンプで読んでいて単行本も全巻買っています。
アニメの方は観てはいましたが、そこまで夢中になって観てはいなかったのでアニメはそこまで思い入れはありません。
なので完全に原作マンガ至上主義派です。
これを最初に言うのは、私のような原作マンガ至上主義派、アニメメイン派、原作もアニメも全く観た事がなくこの映画が初スラムダンクの初心者の人で感想が大きく変わるだろうと思ったからです。
それでは原作マンガ至上主義派の私の感想です。
観に行く前の不安
まず公開前に世間で危惧されていたのは旧アニメからの声優さん総入れ替えです。
これは世間的には結構言われてましたが、私は最初に言った通り原作至上主義でアニメにはそこまで思い入れはなかったので、声優さん代わっても「まあ25年以上経ってるししょうがないよね」くらいの感じでした。
で実際に観た感想もそこまで気にはならかったのですが・・・
アニメはそこまで思い入れはないと言いましたが、意外と旧アニメ版の声の記憶があり、キャラによっては多少の違和感は感じました。特に流川が。
元々そんなに喋らないキャラで、今作でもそんなにセリフないですが、喋る度にちょっとオッサンくさい声でちょっと違和感がありました。
それくらいですかね。
次にCGによる絵です。
個人的には観る前にこっちの方が不安でした。
私はアラフィフのオッサンでセルアニメで育ってきた世代なので、CGアニメ全般的に違和感を感じてしまう世代ですからやむを得ないのですが。
で観た感想ですが、思っていたほど悪くなかっです。
キャラクターの絵はかなり原作マンガの絵の雰囲気でしたし、試合での動きはCGなので当然良く動いていて良かったです。
バスケットボールのような動きの激しいスポーツには合っていたように思います。
不満なところ
声やCGはそこまで悪くなかったですが、不満なところも当然あったので、原作至上主義の私から観た不満点です。
ここからはネタバレ満載です。
何故リョータが主役?
映画を観てない人は「スラムダンクって花道が主役じゃないの?」と思われたかもしれませんが、今作ではリョータが主役です。
原作にはなかったリョータの過去やその後の話がついています。試合内容は原作と変わりませんが、リョータ目線で話が流れていったりします。
本作品の脚本・監督が原作者の井上雄彦先生なので、これはこれで良いのだろうと思うのですが、敢えて原作至上主義の私から言わせていただくと、やはり若干の違和感を覚えずにはいられなかったです。
「何かリョータの性格に違和感が」とか「この後付け設定良いの?」など。
特にラストシーン。
ここは「リョータではなく流川の方が良いんじゃない」と思ってしまいました。
演出が弱い?
CGによる試合は凄く良かったと思うのですが、選手の動きやスピード感を重視しているのか、決めのシーンでの演出が弱く、メリハリがあまり感じられなかったです。
例えば花道が野辺や河田相手にリバウンド王として覚醒するシーン。
マンガでは連続してジャンプする時に足の筋肉のアップが入ったり、花道がリバウンドを取った時に野辺や河田の驚いた顔のアップが入ったり、安西先生が震えるシーンが入ったりして、花道のリバウンドの凄さが伝わってきたのですが、映画ではその辺の演出が殆どなく、本当に試合が淡々と進んでいく感じなのです。
良く言えば試合の流れやスピード感が損なわれないので、実際のバスケの試合を観ているかのようなんですが、個人的にはそこでもうちょっとその凄さを味わいたい、余韻に浸りたいと思ってしまいました。
これは流川覚醒のシーンでも同様です。
個人的にもこの二つのシーンは、名場面の多い山王戦でも、マンガで何度も読み返して鳥肌が立ったシーンなので、そこはちょっと残念でした。
他にもメリハリという話だと、マンガではシリアスなゲームシーンの中に時折挟み込まれる、キャラがギャグ絵になるところが面白かったりしたのですが、映画ではギャグ絵はなしでした。
例えばマンガではゴリが花道の手を叩いた時に、花道がギャグ絵になって手を赤く腫らして痛がるというシーンがありましたが、映画ではギャグ絵にならず、ただ手が赤く腫れてちょっと痛がっているシーンがほんのわずかだけ出て、特にアップになるような事はなく、そのままサーっと流して試合に戻っていくだけでした。
これも試合のスピード感に重きを置いたからなのでしょうか。
試合中の回想シーン
試合中の回想シーンはマンガでもありますが、それは試合中の行動に繋がる回想シーンであって、試合を盛り上げる演出の一つだと思うのですが、映画の回想シーンはリョータの映画オリジナルの回想シーンが多く、試合の流れが切れてしまう感じで、何かそこでちょっと覚めてしまうような感じがありました。
挿入されるエピソードは良い話なんですが、そこはちょっと試合に集中したかったかなと。
何か不満ばかりの感想になってしまいましたが、これはあくまでも原作至上主義の私からみた感想ですから。
ちなみにこの映画を観た後に色々と確認したくなって、帰りに本屋さんで新装版のスラムダンクの山王戦の単行本を買って帰っちゃいましたし(実家に昔のコミック版全巻あるのですが)、家で旧アニメ版も観ちゃいました。
そしたら試合での動きやスピード感は映画は素晴らしかったという事を確認出来ました。
と言うことで今回の私の率直な感想は「悪くはなかったけど何か物足りない」と感じる作品でした。