花の慶次-雲のかなたに-
今回紹介するのはマンガの花の慶次-雲のかなたに-です。
花の慶次は隆慶一郎先生の歴史小説「一夢庵風流記」を原作として、北斗の拳の作画担当だった原哲夫先生が作画をした歴史マンガです。
週刊少年ジャンプで連載されてました。
戦国時代に興味を持つキッカケの一つ
私は戦国時代や戦国武将が好きです。
もっとも物凄いマニアという訳ではなく、普通の人よりも多少詳しいという程度ですが。
戦国武将に興味を持ったキッカケが2つありまして、1つはゲームの「信長の野望」です。
花の慶次と同時期くらいだったと思いますが、信長の野望の「武将風雲録」をプレイして相当ハマって「武将風雲録」のデータ本の武将ファイルを買って読んだりしました。
この武将ファイルが物凄く面白くて、武将データの他に有名何処の武将にはエピソードなんかも載っていて、それを読んで詳しくなって各武将に興味を持つようになりました。
武将ファイルに関してはその後の信長の野望シリーズでも暫く買ってました。
そしてもう一つのキッカケが「花の慶次」です。
戦国武将に興味を持ったところにさらに花の慶次を読んでいたので、私の戦国武将好きはまさにここから始まりました。
私は原作の「一夢庵風流記」も読みました。
この原作の「一夢庵風流記」も物凄く面白いです。
今でこそ前田慶次郎はマンガやパチンコなんかで有名になりましたが、マンガ連載開始以前はどちらかと言うとマイナー武将だった前田慶次郎を創作とはいえここまでカッコ良く爽やかな漢振りの人物に書き上げているのが本当に素晴らしいです。
その面白い小説が原作ですからマンガも当然面白いのですが、「花の慶次」の凄いところは実にマンガらしいエンターテイメント性に富んだ作品になっているところです。
まず慶次の見た目ですが実に爽やかなイケメンに描かれてます。年齢的には結構な歳だったはずですが、若々しい見た目になってます。
これは少年マンガなので見た目的に若くしてイケメンにするのは当たり前ではあるのですが、原哲夫先生が書いた「花の慶次」によってもう前田慶次郎の見た目はコレというくらい印象に残りました。
圧倒的な強さを見せつける描写
前田慶次といえば圧倒的な強さを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
戦国武将の強さを評価するのに中々一個人の武力だけで評価するのは難しいと思いますが、前田慶次がそういった個人の武力の強さで評価されるようになったのは「花の慶次」の影響が大きいのではないでしょうか。
マンガの中での慶次はあまりにも圧倒的に強く、まさに一騎当千の強さを見せつけてくれます。
戦国武将好きや戦国武将の知識がない人も取り込む
「花の慶次」では原作にない話が所々に出て来ます。
その辺りの話や登場する人物が、また絶妙なところをついてきます。
話に関しては史実を大きく変えるような事をしない程度にあくまで裏ではこんな事がありました的な感じの話になっていて、一武将の話というよりもヒーローものに近い話になっています。
またそこに登場する戦国武将が本当に絶妙です。
原作では名前は出てきても絡まなかったり、一切登場しない武将もいますが、ざっと名前を挙げますと真田幸村・伊達政宗・風魔の小太郎・後藤又兵衛など。
戦国武将好きの中でも人気の高い幸村・政宗辺りはそんなに歴史に詳しくない人でも知っているくらいなメジャー武将で、後藤又兵衛なんかも戦国武将好きにはファンが多いであろう人物です。
これらの武将達と慶次を上手く絡ませてるので戦国武将好きの人達も「おっ」と思ってより興味を持って読めますし、そうでない方も有名武将が慶次と絡む事によって実際の歴史に興味を持ったのではないでしょうか。
私自身ジャンプ連載時に読んでいて、幸村登場から小田原城攻め、伊達政宗に会いに行く流れは「慶次カッコ良い」と思いながら毎週どうなるのか楽しみにして読んでいました。
「花の慶次」で印象に残ってる話として、慶次が幸村・政宗・又兵衛・直江兼続などの有名武将達と温泉に入っていてそこに豊臣秀吉が現れるという話があります。
完全にマンガオリジナルのシーンですが個人的に印象に残っていて好きなシーンです。
このように原作の面白さだけでなく、マンガオリジナルの演出も「花の慶次」では実に上手く出来ているのも魅力の一つです。
この慶次と絡ませる絶妙な武将のチョイスは現在連載中の「前田慶次 かぶき旅」でも健在でこちらは関ヶ原から一年後の話を描いていますが、出てくる武将が加藤清正・立花宗茂・島左近・島津義弘といった武将が登場します。
「前田慶次 かぶき旅」は原哲夫先生が原作で作画が出口真人先生です。作画が原哲夫先生ではないですが、絵の雰囲気は花の慶次そのままの雰囲気なのが凄いです。興味を持たれた方はこちらも是非読んでみてください。
「花の慶次-雲のかなたに-」は男も惚れる戦国一のかぶき者前田慶次郎の生き様を描いた傑作マンガです。
戦国武将好きな方もそうでない方にもオススメです。